LC-SCRUM-Asiaに参加しています
2019年6月より、当院はLC-SCRUM-Asiaに参加しています。
複数の遺伝子異常が同時に検出できるマルチプレックス診断薬を臨床応用することで、『現在治療可能である遺伝子異常に対する薬剤』の対象外となっている患者さんを拾い上げることができるようになり、その結果から参加可能な新薬の臨床試験も調べることができます。
LC-SCRUM-Asiaとは
肺がんの患者さんを対象に、がんの希少な遺伝子変異を含む、複数の遺伝子変化を同時に調べるプロジェクトです。日本全国および東アジア各国の患者さんの肺がん遺伝子を調べ、治療薬の開発、診断薬の開発を行います。日本では200以上の施設が参加しています。
近年見つかっている希少な遺伝子変化を持つ肺がんは、肺がん全体の1~2%の頻度と少ない場合が多く、これまでの臨床試験の方法では治療薬の開発は困難でした。多くの患者さんにご協力いただくことで診断・治療開発の促進が期待されます。なお、2013年にスタートしたこの研究により、これまでの7年間で1万人を超える肺がん患者さんの登録があり、治療薬の開発も進行しています。
希少頻度の肺がんの患者さんに有効な治療をいち早く届けること、さらに日本の臨床試験を活性化し、国際競争力を高めること、その結果として個別化治療を推進していくことがLC-SCRUM-Asiaの目標です。
詳しくは、国立研究開発法人 国立がん研究センター 東病院内LC-SCRUM-Asia(外部サイト)をご覧下さい。
LC-SCRUM-Asiaで遺伝子解析を受けるための条件
病理学的に肺がんの診断がついていて、病気がⅡ期以上でお元気な方。
通常の保険適応がある検査や薬剤については通常通りの検査を行います。これに付随してLC-SCRUM-Asiaの検査を行います。
費用
LC-SCRUM-Asiaで遺伝子解析を行う場合、その検査費用を患者さんが負担する必要はありません。ただし、診察料や検体を採取するための検査費用など、通常の診療に必要となる費用はすべて患者さんのご負担となります。
受診の手順
当院を受診していただきましたら、諸検査を行いながら、必要であれば遺伝子解析を実施します。手術可能な患者さん、手術ができない患者さんに関わらず、実施の検討はできますのでご相談ください。