日本赤十字社 鳥取赤十字病院

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薬剤師

あなたの専門分野を見つけてください。
私たちがサポートします。

最新の薬の知識が必要とされる医療現場では、薬剤師はいつでも医師や医療スタッフから協力を求められます。その要望に応えようとさらなる専門分野を目指す薬剤師は多くいます。鳥取赤十字病院では、専門分野の資格取得サポートに力を入れており、癌化学療法、緩和医療、糖尿病、NST、実習指導、DMAT等の取得者が多く、さらに他の分野にも取り組んでいますので、新人への指導・サポートが充実しています。特に、緩和医療専門薬剤師、NST専門療法士の資格取得のための研修施設にもなっています。

サポート体制

鳥取赤十字病院だからこそできるサポート体制があります。

NST研修施設

資格取得のためのNST研修施設に認定されています。

資格取得状況(2024.1)

日病薬認定指導薬剤師 日本病院薬剤師会 4名
日病薬病院薬学認定薬剤師 日本病院薬剤師会  12名
認定実務実習指導薬剤師 日本薬剤師研修センター 3名
認定薬剤師 日本薬剤師研修センター 3名
JPALS認定薬剤師 クリニカルラダー 6以上取得した薬剤師 1名
JPALS認定薬剤師 クリニカルラダー 5以上取得した薬剤師 1名
がん学専門薬剤師 医療薬学会 1名
感染制御認定薬剤師 日本病院薬剤師会 2名
緩和医療暫定指導薬剤師 病院薬剤師会 2名
緩和薬物療法認定薬剤師 日本緩和医療薬学会 2名
外来がん治療専門薬剤師 1名
小児薬物療法認定薬剤師 日本薬剤師研修センター 1名
栄養サポートチーム(NST)専門療養士 日本臨床栄養代謝学会 3名
心不全療養指導士 日本循環器学会 1名
糖尿病療養指導士 日本糖尿病療養指導士認定機構 2名
スポーツファーマシスト 日本アンチ・ドーピング機構 1名
リウマチ登録薬剤師 1名
日本DMAT隊員 厚生労働省 1名
医療情報技師 日本医療情報学会 1名
骨粗鬆症マネージャー 1名
鳥取県肝炎コーディネーター 2名
鳥取県糖尿病療養指導士 1名
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) 2名
医療事務作業補助技能認定試験(ドクタークラーク) 1名
薬品品販売「登録販売員」 2名
メンタルヘルス・マネジメント認定 1名

専門スタッフインタビュー

各専門分野の薬剤師として活躍している先輩に聞きました。担っている役割、責任、仕事のやりがいとはどんなものか。あなたの目指したい分野はありますか?

スタッフインタビュー 07 がん専門薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 08 NST専門薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 09 緩和薬物療法認定薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 10 小児薬物療法認定薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 11 日本糖尿病療養指導士に聞く

スタッフインタビュー 12 感染制御認定薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 13 認定実務実習指導薬剤師に聞く

スタッフインタビュー 14 DMAT(災害派遣医療チーム)隊員に聞く

スタッフインタビュー 15 心不全療養指導士に聞く

スタッフインタビュー 16 スポーツファーマシストに聞く

スタッフインタビュー 17 リウマチ登録薬剤師に聞く


スタッフインタビュー 07 がん専門薬剤師に聞く

患者さん自らがその人らしく目標を持ってもらいたい。
そう願い、日々患者さんと向き合っています。

 高度化するがん医療の進歩に伴い、薬剤師の専門性を活かしたより良質かつ安全な医療を提供することを目的に、がん治療の分野でも専門薬剤師や認定薬剤師の資格が設けられました。当院では日本医療薬学会が認定する「がん専門薬剤師」と日本臨床腫瘍薬学会が認定する「外来がん薬物療法専門薬剤師」が在籍しています。
 チーム医療の中で薬剤師は抗がん薬の特性を理解し、患者さんに関わるスタッフとがん薬物治療で起こりえる副作用と対処法などを情報共有してどのような支援が必要となるか考えていくことが大切と感じています。近年では抗がん薬の保険承認は非常に早く、治験データも限られているため副作用には注意が必要で常に新しい情報を収集し評価・利用するように努めています。
 抗がん薬は他のお薬と違って強い副作用が現れやすいため、患者さんの体の調子や気分の変化に注意して生活に支障をきたしていないか気を付けています。
 患者さんにお薬の説明をする際には、自らが治療と向き合っていくことが重要と考えてお話ししています。また、なるべく患者さんが話しやすい言葉かけや雰囲気を作ることで、医師に言えないことや言い忘れたことを安心して話してもらえる環境にすることが大切と思っています。
 治療中でも「調子がよくて旅行に行って楽しかった」などと笑顔で話してもらえると嬉しいものです。患者さんの気持ちに寄り添って、楽しいことや嬉しいことを達成して頂けるよう支援していきます。

がん治療ページもご覧ください


スタッフインタビュー 08 NST専門薬剤師に聞く

栄養状態の改善によって、患者さんの笑顔や生きる喜びに繋がることが、私達の喜びでもあります。

最近、腸は第二の脳であり、最大の免疫器官と注目されていますが、その腸を最大限に利用して栄養管理を行い、病気を治療することを目標にしています。
NST(栄養サポートチーム)では、医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、検査技師等の多職種が集まって週1回、回診とカンファレンスを行い、入院患者さんの栄養療法を検討しています。当院は認定教育施設なので40時間の臨床実地修練を行うことができ、症例報告、日本静脈経腸栄養学会や教育セミナー等の参加実績、5年以上の実務経験があれば、認定試験を受験することができます。栄養療法の知識と手技を身につけることによって、より幅広い活動が可能となります。栄養状態の改善によって、患者さんの笑顔や生きる喜びに繋がることが、私達の喜びでもあります。これからも自己研鑽と経験を積んで、患者さんの病態や栄養状態に応じた栄養管理を支援していきたいと思っています。


スタッフインタビュー 09 緩和薬物療法認定薬剤師に聞く

患者さんはがんの病状進行に伴って様々な症状が出現しますが、私たちは個々の患者さんの状態に合わせて、最適な治療を提案しています。

緩和薬物療法認定薬剤師、薬剤管理指導、化学療法、緩和医療

人は皆、必ず死が訪れます。最期をどのように迎えたいかという個々の患者さんの希望になるべく沿いたいとチームは考えています。

がんの患者さんには病状進行に伴って、

  • 食べれない!
  • 痛い!
  • むくむ!
  • しびれる! etc

といった症状が現れます。
このような症状は薬物療法で緩和できる場合もありますが、他の方法が良い場合もありますので、チームで話し合いながら個々の患者さんの状態に合わせて、最適な治療を提案していきます。
勿論、薬物療法では肝臓・腎臓などの機能が低下しておられる患者さんへの治療薬の選択や相互作用を回避するために薬の変更を提案します。
新規麻薬の発売・鎮痛補助薬発売の時には、具体的な使用方法などの知識の習得が必要ですが、一番大切なことは患者さんに寄り添う気持ちと考えています。


スタッフインタビュー 10 小児薬物療法認定薬剤師に聞く

小児薬物療法認定薬剤師

小児薬物療法認定薬剤師とは、小児科領域において医薬品に関わる専門的立場から医療チームの一員として小児薬物療法に参画するための能力と適正を備え、さらに患児とその保護者等に対しても適切な助言および行動ができる薬剤師として、日本薬剤師会と小児臨床薬理学会が認定する認定資格です。
当院では、主に看護師からの小児への薬物療法に関する相談の対応や、保護者への薬物治療の説明や相談応需をしています。お薬が飲めない、この薬はずっと使っていても大丈夫なのかな?などお薬に関する悩みに寄り添い、そのお子さんに合った解決方法を一緒に見つけ出せるように努めています。また、お子さん(患者さん本人)の年齢・発達段階に合わせた説明を行い、お子さんにも積極的に薬物療法に関わってもらえるような指導ができるように心掛けています。




スタッフインタビュー 11 日本糖尿病療養指導士に聞く

患者さんや患者さんの周囲の人が笑顔になれること、これが私達の喜びのひとつです。

糖尿病治療にもっとも大切な自己管理(療養)を患者さんに指導する医療スタッフとして、チームで患者さんを支えていけるよう、薬に関することはもちろん、生活状況の把握や患者さん個々に応じた対応を心がけています。
また患者さんに関する情報をスタッフ全員で共有し、コミュニケーションを密にとることで、少しでもよりよい血糖コントロールが得られ、合併症への進展を阻止し、患者さんや患者さんの周囲の人が笑顔になれること、これが私達の喜びのひとつです。
毎日欠かすことのできない「食事療法」、なかなか実行が伴いにくい「運動療法」、服用・使用方法や飲み忘れが問題となる「薬物療法」といった生活に密接に関係する自己管理(療養)を長期間継続していくためにチーム一丸となって取り組んでいることにやりがいを感じています。
糖尿病は今もそしてこれからも増え続けている疾患です。内科病棟のみならず基礎疾患として糖尿病に罹患している患者さんは沢山おられます。そんな患者さんの役にたつことができるよう、今後後進への指導にも力をいれ、増え続ける糖尿病患者さんへの支援を行っていければと思っています。

 


スタッフインタビュー 12 感染制御認定薬剤師に聞く

消毒薬や抗生物質などは種類が多く、特徴に合わせて使いこなすには膨大な知識が必要となります。
その専門家である感染制御を担当する薬剤師と治療を行う医師は、
より良い治療を、より多くの患者さんに提供することが可能となります。

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

感染制御認定薬剤師(PIC)は抗菌薬の適正使用のために活動しています。抗菌薬使用動向を把握することで、感染症患者さんを早期から監視し、広域抗菌薬使用例や抗菌薬長期投与例をASTカンファレンスへピックアップし、介入しています。カンファレンスでは4職種が集まり、それぞれの立場で抗菌薬適正使用に関する議論を重ねます。PICは患者さんの体型、腎機能、感染症の原因菌等に合わせた抗菌薬の選択(抗菌薬の種類、使用量、投与方法)を行います。抗菌薬の中には血中濃度を測定し、より細かな投与量の調整を必要とするものもあり、PICが中心とあり、主治医と協議しながら抗菌薬の投与量を調整し、決定しています。さらに、病棟薬剤師とも協力し、患者さんが使用している内服薬等との組み合わせの確認(併用禁忌、相互作用)を行い、安全な薬物治療を提供しています。

また、薬剤耐性(AMR)対策は国をあげて取り組んでおり、抗菌薬使用に関わる適正化の推進に、より一層の知識と介入が求められています。当院の抗菌薬使用量や主な微生物の薬剤耐性率を国の掲げる成果指標に近づけるよう、抗菌薬の更なる適正使用に取り組んでいます。

抗菌薬適正使用支援チームについては、感染管理ページもご覧ください。

 

感染制御チーム(ICT)

感染制御チーム(Infection Control Team、ICT)は、感染管理を担当する医師・看護師・臨床検査技師・薬剤師などで構成されています。感染管理とは、医療施設内での持ち込みを含めた感染拡大の予防を目的とした取り組みであり、実際の活動内容は院内ラウンド、検出菌の管理と情報提供などによるアウトブレイクの防止と発生時の対応、感染対策マニュアル作成、環境整備などが挙げられます。
当院では週1回の病棟・外来ラウンドを実施しています。その中で薬剤師は、院内における消毒薬適正使用の推進、薬品の管理などに関わっています。消毒薬の適正使用では、それぞれの薬剤にあった保管方法、使用方法などの確認、薬品の管理でも同様にインスリンなどの分割使用するバイアル製剤の保管方法、使用期限の確認、消毒薬や吸入薬の作り置き防止や個包装化などを行ってきました。いずれも薬剤師の専門的な目で見て、適正使用の指導、助言を看護師などに行っています。昔からやっている、これまで大丈夫だったからといったことを無くし、エビデンスに基づいて、患者の安全はもちろんのこと、病院スタッフの安全も守っていく必要があります。
病院の医療安全の中心となる感染対策に薬剤師として関わってみませんか。

院内感染対策チームについては、感染管理ページもご覧ください。


スタッフインタビュー 13 認定実務実習指導薬剤師に聞く

学生指導・新人教育の場で自主的に能力を伸ばすには、教育体系、手法が大切です。
やる気が起きなかった新人も指導者が変われば、自主的にやるようになった。
このように指導者自身の教授錯覚を知り、体験型指導で大きく力を伸ばす。

鳥取赤十字病院の実務実習は、病院薬剤師としての実務を多く経験できるようなスケジュールを組むよう心掛けています。実習開始後、早朝より外科系・内科系疾患の患者さんと外来化学療法中の患者さんを担当して頂きます。各疾病について学びながら、患者さんへ現在の治療薬について説明し、効果判定・副作用確認・常用されているお薬との相互作用などをチェックします。患者指導に活かすために患者さんと同じ治療食を食べたり、手術・心臓カテーテル検査・RI検査などの見学も取り入れ、その際に使用する薬剤の使用方法も学んで頂いています。一人の患者さんに対して他職種とチームで支援を行いますので、他職種の業務内容を知りコミュニケーションを取りやすくするため、他部署見学やチームカンファレンスにも参加し、他部署との関係やチームの中で薬剤師が担う役割を感じて頂きます。

さらにグループ実習として、可能な範囲で赤十字血液センターで輸血に関する実習や鳥取医療センターで精神科、結核病棟の実習などを依頼し、当院では実習できない内容に対して協力していただいています。

当院薬剤部には認定実務実習指導薬剤師だけでなく、日本薬剤師研修センター認定の実習指導薬剤師、日本病院薬剤師会認定の実習指導薬剤師といった実習に対する知識と訓練を受けた薬剤師が多くいるため、学生教育にほぼ全員で関わるという適した環境があります。更に、各種の認定を取っている薬剤師が多く揃っていますので、興味のある専門分野を幅広くより深く、内容の充実した指導を受けて頂けるのが特徴です。


スタッフインタビュー 14 DMAT(災害派遣医療チーム)隊員に聞く

DMAT(Disaster Medical Assistance Team)
″一人でも多くの命を助けたい″

DMATは医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に対応する専門的な医療チームです。
東日本大震災以降も2014年の広島市土砂災害、2015年の鬼怒川氾濫による水害、2016年の熊本地震の局地災害にも活動をしました。そして、いつ起こってもおかしくないといわれている南海トラフ地震、首都直下型地震を想定し、国・地方自治体が中心となり、さまざま機関と連携しながら対策を続けています。
私は2016年の鳥取県中部地震でDMATとして派遣されました。DMATに求められる重要な要素の1つに短時間での情報収集能力があります。中部の各医療施設の被害状況、ライフラインの確認、医療ニーズがあるかなどの情報を収集しました。そして、必要に応じて医療機関や行政機関と情報を共有し解決していきました。

DMATでは薬剤師も業務調整員となりますが、もちろん医薬品を持っていきます。そのため、薬剤師の業務調整員は医薬品のチェック・管理など薬に関することはより重要な役割を担うと考えています。
災害時の派遣先では臨機応変な対応が常に求められます。訓練や研修を通じて「機転、機敏、気配り」ができるよう研鑽しています。「一人でも多くの命を助けたい!」と思う気持ちで全員が活動しています。

 

 


スタッフインタビュー 15 心不全療養指導士に聞く

多職種で構成されるチーム医療体制による多面的アプローチで心不全患者さんの治療にあたっています。

心不全医療チームは、医師を中心に看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、社会福祉士など、多くの職種によって構成されていますが、心不全療養指導士はこれらの多様な専門資格を有する職種によるチーム医療に共通する基本的知識・技能を認定する資格になります。

心不全療養指導士に聞く

心不全は増悪の多くが服薬・食事など非医学的誘因であること、また高齢心不全患者は合併症が関連して再入院を繰り返すことが特徴といわれています。
そういった予防可能な心不全増悪に対して、患者本人及び家族など介護者に正確な知識と技術を身に着けていただき、発症・増悪予防のためのセルフケアと療養を継続してゆけるよう支援しています。
十分な治療効果が得られるよう、患者さんにとって理解しやすい服薬指導を心がけ、確実な内服管理ができるよう日々頑張っています。


スタッフインタビュー 16 スポーツファーマシストに聞く

スポーツファーマシスト

公認スポーツファーマシストは、最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師です。
薬剤師の資格を有する者が、(公財)日本アンチ・ドーピング機構が定める所定の課程(アンチ・ドーピングに関する内容)終了後に認定される資格制度です。

主な活動としては、国民体育大会に向けての都道府県選手団への情報提供・啓発活動 や学校教育の現場におけるアンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供・啓発活動です。

私は病院薬剤師ですので、整形外科や循環器、産婦人科の医師より、ドーピングに関して使用できる医薬品の質問等へも対応しております。

 


スタッフインタビュー 17 リウマチ登録薬剤師に聞く

リウマチ財団登録薬剤師

リウマチ財団登録薬剤師制度は、リウマチ性疾患の薬物療法に精通した薬剤師を育成し、リウマチ財団登録医及びリウマチケア看護師、並びにリウマチ財団登録理学・作業療法士等と連携・協働して医療技術の進歩と医療水準の向上を図り、系統的治療により、国民の健康と福祉に貢献することを目的とし、2014年に発足しました。

リウマチ財団認定のリウマチ専門薬剤師とし、2016年から活動しています。院内では、外来患者さんを中心に、新規薬剤の導入時、薬効や副作用説明、ワクチン接種等の注意事項、自己注が必要な薬剤では、デバイスの説明を行いながらリウマチの進行状況を確認し、自己注射の手技が可能かなどをチェックし、医師へ知りえた情報をフィードバックし、新規薬剤の導入時の評価に役立てて頂いております。リウマチ治療薬は多岐にわたり、高額医薬品であることもあり、導入後のドロップアウトは防ぎたいと考え、薬剤師の説明時にメディカルソーシャルワーカー(MSW)も同席してもらい、患者の自己負担額も正確に提示して納得の上で導入できるよう心掛けています。