薬剤師
認定薬剤師が多くいる環境で、他職種による協力的な指導体制の元、基礎研修期間にすべてを経験し、どの分野にも対応できるジェネラリストと、その後のスペシャリストを目指す
新人薬剤師対象
6カ月以内に日当直ができるように、麻薬を含んだ調剤・注射業務、製剤業務、TPNカクテル業務、抗癌剤無菌調整等の体験型研修を行い、薬剤部内のほとんどすべての業務に対応できるようにする。
最近行っている4カ月型は、中途採用の経験者等、習得度によって短縮できるところを見極めながら行なっている。
手順
- 調剤・注射・無菌・製剤等、担当課長又は担当係長が概要を説明したのち、指導薬剤師の指示のもとでそれぞれの業務を学ぶ。(指導薬剤師は随時検討)。
- 担当課長又は担当係長が、指導薬剤師と新人薬剤師より進行具合を聞き取り、毎月の定例会にて報告、一人調剤の可否について検討する。
- 研修期間(4か月~6ヶ月)終了直前の定例会にて、日当直可否の検討を行い決定する。
日当直開始後は、各種委員会を見学し、それぞれの委員会での薬剤師の役割を学ぶ。
さらに先輩薬剤師の薬剤管理指導業務の見学(全病棟)も行い、病棟でのチーム医療における役割を学ぶ。
実際の薬剤管理指導は、指導薬剤師の指導の元、外科系・内科系病棟をそれぞれ数か月経験したのち、一人での指導を開始する。
1年目(1例)
4月 | 研修期間(4~6ヶ月) | 調剤 | ||
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5月 |
↓ |
注射 | ||
6月 | ↓ | 製剤・無菌 (見学) |
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7月 | 復習 | |||
8月 | ||||
9月 | 当直 | |||
10月 | 各種委員会 |
オピ回診 |
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11月 | 抗がん剤(2人目) |
褥創回診 |
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12月 | 抗がん剤(1人目) |
ICTラウンド |
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1月 | 患者カレンダー | シャドー (1回/週 水曜日) |
B-5 |
|
2月 | 製剤 |
B-8 |
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3月 | 無菌室 |
5東 |
2年目(1例)
4月 | 外科系病棟(1回/週 1時間) |
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5月 | |
6月 | |
7月 | |
8月 | |
9月 | |
10月 | 内科系病棟(1回/週 1時間) |
11月 | |
12月 | |
1月 | |
2月 | |
3月 |
3年目(1例)
4月 |
病棟担当 |
2回/週 1時間 |
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5月 | ||
6月 | ||
7月 | 2回/週 2時間 | |
8月 | ||
9月 | ||
10月 | 検討/週 2時間 | |
11月 | ||
12月 | ||
1月 | ||
2月 | ||
3月 |
センター業務研修期間は、経験年数によって変更する。- 10月頃に各種委員会を見学し、1月頃より先輩薬剤師の病棟業務シャドーを行う。
- 病棟患者さんを担当するのは2年目から開始するが、内科系病棟・外科系病棟のどちらも経験する。
- 新人に対して、精神的ケアを含めた相談役として2.3年目の先輩薬剤師が担当する。
- 新規業務を経験した場合、途中に自己評価・他者評価を行う。それを元に面談を行い、不備な点があれば改善していく。
- ステップアップ可能かどうかの判断は、役付き会議で最終決定を行う。
- 病棟活動を始めるにあたり、各疾患における薬物療法や医療用語・略語等、若手薬剤師が中心となって木曜日に勉強会を行う。
院内研修の機会
- 週1回 薬剤師による情報提供(専門病棟等の実例、学会報告、自己学習した内容等)
- 週1回 各チーム医療活動に参加した薬剤師からの情報提供
- 週1回 新薬等説明会
- 週1回 研修医対象勉強会(全ての職員が受講可。薬剤師にも好評)
- 週1回 NST勉強会(全ての職員対象)
- 月1回 糖尿病勉強会
- 月1回 院内集談会(各医療者から事例、研究テーマが報告される)
- 年数回 製薬会社によるWeb講演会
- 年数回 院内感染対策研修会
- 年数回 医療安全対策研修会
- その他
薬剤師ジェネラリスト養成制度/入社後2年間
通常業務の一部に本制度を組み込み、通常業務のレベルを落とすことなくジェネラリストへの道をつける。
1年間は各種認定薬剤師による各分野に対応できる幅広い知識と体験をした新人薬剤師を養成する。次の1年間で、他職種による体験型研修を受け、薬物治療を活かすための知識と経験を積む。これにより食事・リハビリ・検査・画像・看護・社会保障制度等の分野の理解と協力体制が整い、薬物治療だけでは対応できない問題へのチームでの関わり・薬の効果・副作用の確認等がより正確に行えるようになる。
薬剤師スペシャリスト養成制度/3年目以降
初期2年間で培った薬物療法の知識と経験により、より質が高く、他職種のニーズに応えられ、さらにその人の個性・志向に沿ったスペシャリストを目指す。
しかし、ジェネラリストになっていない薬剤師への相談に対する対応は、質が問われる場合があるため、幅広い知識を習得しておく必要がある。
(目標としている分野のスペシャリストになるために必要な委員会等への登録は1年目から可能である。)
病院実務実習を希望される薬学5年生の皆さんへ
鳥取赤十字病院における実務実習の特徴
- 講義中心ではなく、実際の現場での実習を多く取り入れています
- チーム医療である他職種を含めた多彩な教育体制を取っています
- 特殊性の高い実務に関しては、近隣の施設とグループを組んで実習していただける体制を整えています(例えば、精神科病院・ホスピス・血液センター等)
- DMATの組織にも当院薬剤師は入っており、大災害時には救護班として何人も出動しており、災害時における薬剤師の役割について、学ぶ事ができます
- 薬剤管理指導に関わる期間を多く設けています(シャドー見学・手術見学・外科系・内科系の患者を担当)
薬学生の方は、下記のことに留意して実務実習に臨んでください。
参考:薬学生の実習日程(11週コース)はこちらをご参照ください
実務実習の心構え
個人の判断だけで行動せず、また医療人として守秘義務を守る等の自覚と責任を持ち、実務実習指導薬剤師の指示に従って実習を行なってください。
実習開始日までの準備
鳥取赤十字病院の概要について病院ホームページで確認しておいてください。また薬学共用試験OSCE(オスキー)や実務実習事前学習を再度、復習しておいてください。
実習開始日に持参するもの
- 白衣
- 印鑑(調剤印などにも使用するシャチハタ(なければボールペンによるサインとなります))
- 上履き(スリッパ等の踵の無いものは使用できません)
- 筆記用具
- 名札・・・当院でご用意します
- 病院実務実習評価表(大学の指導教官に相談してください)
- 健康診断証明書(大学の指導教官に相談してください)
- 抗体検査結果報告書(麻疹、風疹、水痘など。手元にない学生は大学の指導教官に相談してください)
実習開始日の集合時間および集合場所
集合時間:8時10分
集合場所:薬剤部おくすりカウンター付近
※ スタッフに声を掛けて頂ければ、更衣室あるいは実習生控室へご案内します。朝礼は8時25分に始まります。
実習時間
月曜日から金曜日 8:30~17:10
更衣ロッカー
更衣室に施錠可能なロッカーがあります。貴重品は各自保管してください。
院内のパソコン端末
指定の端末が用意されています。ウイルスチェック等の事前説明があります。
実習机などの環境状況
机・椅子などを設置し、予習や復習が可能な環境整備をしています。
昼食について
薬剤部内にも食事スペースはあるのでお弁当持参も可能です。院内に売店もあり、病院の前にはコンビニエンス・ストアもありますし、仕出し弁当を注文することも可能です(1 食300~500 円)。
※ 食事時間に薬品メーカーの説明会が開催されることがあります。
病院への往復について
なるべく公共交通機関を利用してください(無料の駐車場は用意されていません)。自転車を利用する学生は必ず職員用駐輪場を利用してください。また往復の服装は、鳥取赤十字病院に通う学生・医療人に適した服装(スーツ等)としてください。第2期の実務実習中の夏期期間はクールビズで構いません。
院内・院外研修会(集合研修)
感染症や抗がん剤など多岐にわたる分野での院内・院外研修会が早朝および夕方に、さまざまな場所で開催されています。研修会参加を希望する学生は、参加することができます。
その他
患者さまに安心して気持ちよく療養生活を送って頂くため、実習生は極端な茶髪やマニュキュアは避け、長い髪は束ねられるよう準備してきてください。白衣や下履きなどの清潔感を心掛けてください。
問い合わせ
不明な点に関しては、下記の担当者まで電話連絡してください。
電話の際は、当院電話交換士に「所属大学」、「氏名(フルネーム)」、「電話の目的」を申し出てください。
お問い合せ:鳥取赤十字病院 0857-24-8111(代表)
薬剤部 米田 栄子(認定実務実習指導薬剤師)