令和2年度鳥取赤十字病院病院指標｜病院情報の公表｜病院概要

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞の患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

年齢階級別退院患者数

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	461	137	117	194	323	485	1,181	1,716	1,428	586

2020年度に退院した患者数を、年齢階級別に入院時の年齢で１０歳刻みで集計しています。
地域医療支援病院である当院は、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。中でも６０代以上の患者さんは全体の約７割以上を占めており、症状が重症化しやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。
若年層では、骨折などの整形外科的な手術が必要となる患者さんが多くなっています。
また、小児科は平成２９年度から医師を３人体制として小児救急により積極的に取り組み、前年度に引き続き２０歳までの患者さんを多く診療していますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で小児科での感染症が極端に少なく例年に比べて少ない患者数となりました。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）

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内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040081xx99x00x	誤嚥性肺炎（人工呼吸、気管切開等なし）	98	23.67	20.51	25.51	85.31
060340xx03x00x	胆管結石、胆管炎などの内視鏡治療	93	9.74	9.53	3.23	75.83
10007xxxxxx1xx	２型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）インスリン注射を伴うもの	88	13.83	14.60	0.00	67.70
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症	86	17.52	13.00	4.65	81.23
040040xx9910xx	肺の悪性腫瘍（気管支ファイバースコピーや生検法）	47	2.81	3.39	0.00	70.83

誤嚥性肺炎は、呼吸器を専門とした医師による治療を行っています。また、胆管結石、胆管の手術治療は患者さんの侵襲の少ない手術として内視鏡的治療が行われています。

循環器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
050130xx9900xx	心不全	45	22.29	17.23	8.89	85.58
050050xx9910xx	狭心症、慢性虚血性心疾患の心臓カテーテル治療	32	4.00	3.07	6.25	68.19
050050xx0200xx	狭心症、慢性虚血性心疾患などの経皮的冠動脈形成術	19	4.79	4.44	0.00	66.63
050070xx9900xx	頻脈性不整脈	19	12.11	7.09	5.26	82.37
050130xx9902xx	心不全のSPECT検査	19	24.53	24.18	10.53	84.47

循環器科で最も多い症例は心不全です。平均年齢が80歳を超え、心不全以外の要因により平均在院日数が長くなっています。在宅復帰まで治療継続、リハビリのための転院を要する症例が多く、転院が決まるまでに日数がかかることが大きな要因です。

脳神経内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
010060x2990301	脳梗塞軽度（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）のSPECT検査	19	20.16	17.78	21.05	78.84
010060x2990300	脳梗塞中等度（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）のSPECT検査	ー	ー	22.46	ー	ー
010061xxxxx0xx	一過性脳虚血発作	ー	ー	6.36	ー	ー
010060x2990001	脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）	ー	ー	6.30	ー	ー
010060x0990301	脳梗塞軽度（脳卒中発症４日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満）のSPECT検査	ー	ー	15.78	ー	ー

脳神経内科の入院患者数で最も多い疾患は脳梗塞です。いくつかの治療法や治療薬がありますが、それぞれにタイムウィンドウ（いわば制限時間）が決まっています。より良い治療のために、より早期の受診をおすすめします。

小児科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040100xxxxx00x	喘息	74	5.53	6.46	0.00	3.34
060380xxxxx00x	ウイルス性腸炎	70	3.34	5.86	0.00	4.27
030270xxxxxxxx	上気道炎	60	3.52	4.85	1.67	2.20
040090xxxxxx0x	急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症（その他）	48	4.00	6.47	0.00	1.54
030240xx99xxxx	扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎	20	4.10	5.63	0.00	3.80

小児科疾患の多くは、感染症とアレルギー疾患です。特に発熱や咳を伴う呼吸器疾患が多く、気管支炎や肺炎を発症すると全身状態が悪化し、年少児では入院に至る場合があります。
発熱・嘔吐・下痢で始まるロタウィルス・ノロウィルスなどのウィルス性胃腸炎では、容易に脱水症状に陥り、入院となります。
近年、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患が増えました。定期吸入薬などの登場で入院を要する気管支喘息患者は減少傾向にあります。

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060035xx99x7xx	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍の化学療法（パニツムマブ、セツキシマブ、等）	56	3.05	4.94	0.00	65.43
040040xx99080x	肺の悪性腫瘍の化学療法（ラムシルマブ、ベバシズマブ）	52	3.87	9.40	1.92	68.90
060040xx99x70x	直腸の悪性腫瘍の化学療法（パニツムマブ、セツキシマブ、レゴラフェニブ）	49	3.27	4.47	0.00	71.80
060330xx02xxxx	胆嚢結石の腹腔鏡手術	49	7.10	6.41	0.00	65.98
060035xx010x0x	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍の腹膜又は結腸切除術	47	18.66	16.19	6.38	72.09

結腸・直腸がんは増加傾向にあり、化学療法も実施していますが、手術の場合は鏡視下で行っています。直腸がんに対しては2018年度よりロボット支援下手術（ダヴィンチ）を導入しました。
また肺の悪性腫瘍は大腸がんの肺転移に対しての化学療法が多くを占めています。
胆石症が多いのは、ほとんど全ての症例に対して鏡視下手術を行っている為、紹介や希望者が多いためと考えられます。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160800xx01xxxx	股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術	135	28.59	25.09	73.33	83.98
070370xx99xxxx	脊椎骨粗鬆症	77	24.82	21.71	68.83	84.01
07040xxx01xxxx	股関節骨頭壊死、股関節症（変形性を含む）の人工関節再置換術等	75	26.04	21.03	1.33	70.71
160690xx99xxxx	胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）	46	22.76	18.81	43.48	79.87
070230xx01xxxx	膝関節症の人工関節再置換術等	27	28.11	23.36	0.00	73.96

鳥取県の人口構成の特徴は、全国的にも高齢化率の高い地域となっています。整形外科においても入院症例数が最も多いのは高齢者の転倒による大腿骨近位部骨折です。大腿骨近位部骨折の手術件数は骨接合術と人工骨頭挿入術を合わせて年間多くの件数を実施しており、県内でも有数の病院となっています。早期離床をはかるためできるだけ早くリハビリを行っていますが、高齢者が骨折を受傷すると短期間で自立した歩行能力を獲得することは並大抵のことではありません。当院では医療ソーシャルワーカーを通して近隣の回復期リハビリテーション病院とも連携をはかり、なるべく在宅復帰できるようご提案させていただいています。

脳神経外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160100xx97x00x	頭蓋・頭蓋内損傷の慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等	13	10.92	9.68	0.00	80.31
160100xx99x00x	頭蓋・頭蓋内損傷	ー	ー	8.18	ー	ー
010040x099000x	非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）意識レベル_JIS10未満	ー	ー	18.86	ー	ー
010010xx02x10x	脳腫瘍頭蓋内腫瘍摘出術等	ー	ー	33.71	ー	ー
010040x199x0xx	非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）意識レベル_JIS10以上	ー	ー	22.35	ー	ー

当院では比較的高齢者の方が多く、それを反映して高齢者において発症率の高い慢性硬膜下血腫の手術治療が多くなっています。

泌尿器科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
110080xx991xxx	前立腺悪性腫瘍の前立腺針生検法	105	2.55	2.54	0.95	70.80
110070xx03x20x	膀胱腫瘍の膀胱悪性腫瘍手術	48	8.40	7.05	2.08	74.06
110080xx01xxxx	前立腺の悪性腫瘍の腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（ロボット支援機器を使用）	38	13.29	11.89	0.00	68.55
110420xx02xx0x	水腎症等経尿道的尿管ステント留置術等	34	5.74	4.13	0.00	74.21
110070xx99x20x	膀胱腫瘍の化学療法	29	10.83	9.96	0.00	71.72

膀胱腫瘍に対して経尿道的に行う膀胱悪性腫瘍手術（TUR-Bt）と化学療法を併用した症例で、平均在院日数は約８日でした。患者さんの術後の痛みの軽減、早期回復を図りたいことから、開腹しない腹腔鏡を使った手術を積極的に行っている当科では腹腔鏡手術の症例ばかりが上位を占めており、特に前立腺悪性腫瘍の手術にはロボット支援機器を使用した腹腔鏡下前立腺全摘術を行っています。
がんの再発や転移、またはその予防を目的として行う化学療法も多く行っています。

産婦人科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
120090xx97xxxx	生殖器脱出症の膣閉鎖術等	16	9.38	9.71	0	72.38
12002xxx02x0xx	子宮頚部異形成の子宮頚部(腟部)切除術	ー	ー	3.11	ー	ー
120220xx01xxxx	子宮内膜ポリープの子宮内膜ポリープ切除術	ー	ー	2.93	ー	ー
120060xx01xxxx	子宮筋腫等の子宮全摘術等	ー	ー	9.57	ー	ー
120070xx01xxxx	卵巣腫瘍等の子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの)	ー	ー	10.00	ー	ー

子宮筋腫は中年以降の女性によくみられる良性の子宮腫瘍です。当科では、自覚症状とＭＲＩなどの画像診断を総合的に判断して、患者さんにとって最も適した治療法を選択するように心がけています。

耳鼻咽喉科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	平均年齢
030400xx99xxxx	前庭機能障害	92	5.61	4.94	68.25
030240xx99xxxx	扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎	47	5.96	5.63	45.45
100020xx010xxx	甲状腺悪性腫瘍手術	45	9.53	8.50	63.38
030350xxxxxxxx	慢性副鼻腔炎	43	6.56	6.71	59.30
030428xxxxxxxx	突発性難聴	39	10.03	8.81	63.90

めまい、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍などの救急患者の入院が多く見られます。慢性副鼻腔炎は手術のための入院です。
睡眠時無呼吸症候群の終夜睡眠ポリグラフィー検査は１泊2日の検査を週２回実施しており、社会人の方が多い傾向にあります。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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	初発					再発	病期分類基準（※）	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準（※）	版数
胃癌	57	ー	27	53	49	32	1	8
大腸癌	22	41	58	63	35	202	1	8
乳癌	20	32	ー	ー	29	19	1	8
肺癌	ー	ー	30	84	12	ー	1	8
肝癌	ー	ー	ー	ー	15	75	1	8

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

当院は消化器センターを設置しており、消化器系のがんが多いのが特徴です。早期胃がんでは内視鏡切除、腹腔鏡下胃切除、腹腔鏡、内視鏡合同手術にも取り組んでいます。大腸がんも多くの症例で腹腔鏡手術やロボット手術を行っています。乳がんは近年増加してきており、専門医師、認定看護師、薬剤師など他職種がチームを組んで患者さんの診療にあたっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	23	10.04	56.22
中等症	118	14.92	79.63
重症	16	20.56	84.13
超重症	ー	41.67	92.33
不明	ー	ー	ー

市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、成人市中肺炎診療ガイドライン（日本呼吸器学会）による重症度分類を用いて集計しています。患者数は中等症が最も多く、重症度が上がるにつれて在院日数も長くなっています。患者さんは高齢者が多く、重症になるほど平均年齢は上がる傾向にあります。

脳梗塞の患者数等

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発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
3日以内	91	23.13	78.11	32.74
その他	22	25.09	78.68	7.96

脳梗塞では約33％がリハビリ病院へ転院されるため、平均すると３週間程度の入院期間となっています。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）

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内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K6871	内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみのもの）	59	1.32	8.63	3.39	75.19
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	57	5.35	13.05	3.51	81.95
K664	胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む）	51	28.76	25.47	56.86	81.92
K6532	内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）	40	0.75	8.20	0.00	72.63
K6181	中心静脈注射用植込型カテーテル設置（四肢に設置した場合）	33	30.82	26.00	69.70	84.91

胆管結石、胆管の手術治療は患者さんの侵襲の少ない手術として内視鏡的治療が行われています。

循環器内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K5493	経皮的冠動脈ステント留置術（その他）	22	2.18	7.77	0.00	69.18
K596	体外ペースメーキング術	10	4.90	11.40	0.00	77.80
K5972	ペースメーカー移植術（経静脈電極）	ー	ー	ー	ー	ー
K5492	経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症）	ー	ー	ー	ー	ー
K5463	経皮的冠動脈形成術（その他）	ー	ー	ー	ー	ー

循環器科では虚血性心疾患（狭心症や心筋梗塞など）に対する経皮的冠動脈ステント留置術といった心臓カテーテル治療の症例数が多くなっています。心臓カテーテル治療は腕や足の血管から心臓まで管を通して狭窄した冠動脈を拡張する治療法です。

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K672-2	腹腔鏡下胆嚢摘出術	89	1.30	5.51	1.12	66.67
K719-3	腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術	49	2.71	13.82	2.04	70.73
K718-21	腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの）	38	0.34	3.82	0.00	41.50
K655-22	腹腔鏡下胃切除術（悪性腫瘍手術）	26	1.92	25.42	3.85	72.23
K4762	乳腺悪性腫瘍手術（乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わない））	21	1.76	3.52	0.00	66.57

がんの手術以外では、当院では胆石症や胆のう炎に対して腹腔鏡下胆のう摘出術を行う症例が多いです。
腹腔鏡下手術は、傷が小さいために術後の痛みも少なく、早期の退院が可能になります。
がんの手術で多いのは結腸がんです。９割程度の症例で腹腔鏡下手術が行われており、傷が小さいために術後の回復が早く、術後平均日数も短くなっています。
また当院では、直腸がんに対してロボット支援下(ダヴィンチ)手術を行っています。胃がんはほとんど全ての症例を腹腔鏡下に行っています。結腸がんに次いで胃がん、乳がんの件数が多くなっています。

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0821	人工関節置換術（肩，股，膝）	112	1.67	24.62	1.79	70.94
K0461	骨折観血的手術（肩甲骨，上腕，大腿）	105	4.58	23.36	66.67	83.60
K0462	骨折観血的手術（前腕，下腿，手舟状骨）	44	3.70	30.91	2.27	61.89
K0811	人工骨頭挿入術（肩，股）	40	6.10	20.50	82.50	84.13
K0483	骨内異物（挿入物を含む）除去術（前腕，下腿）	13	1.23	2.69	0.00	50.00

整形外科の手術では平均年齢から高齢者の骨折が多いことが分かります。加齢に伴い骨粗鬆症が原因で起こる大腿骨の骨折に対して、プレート固定を行ったり、人工骨頭挿入を多く行っています。手術後は自宅退院を目標にリハビリテーションを行い、医療ソーシャルワーカーを通して近隣の回復期リハビリテーション病院とも連携をはかり、なるべく在宅復帰できるようご提案させていただいています。

脳神経外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K164-2	慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術	13	0.23	14.69	7.69	81.54
K160-2	頭蓋内微小血管減圧術	－	ー	ー	ー	ー
K1692	頭蓋内腫瘍摘出術（その他）	ー	ー	ー	ー	ー
K151-2	広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術	ー	ー	ー	ー	ー
K6092	動脈血栓内膜摘出術（内頸動脈）	ー	ー	ー	ー	ー

脳神経外科では、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が最も多い手術となっています。慢性硬膜下血腫は高齢者の頭部外傷後に発症することが多い疾患ですが、手術で治療するため、早期に退院可能となっています。
また、動脈血栓内膜摘出術では、コレステロールなどの塊が首に堆積してできたプラークを取り除き、脳梗塞を予防します。治療は薬物による保存的治療が基本ですが、血管の狭窄が進行した症例では、手術を行ったほうがより良い予防効果が望める場合もあります。

泌尿器科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K8036ｲ	膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用のもの）	69	1.57	6.28	1.45	73.84
K783-2	経尿道的尿管ステント留置術	44	0.39	6.77	4.55	74.48
K843-4	腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）	38	1.89	10.39	0.00	68.55
K7811	経尿道的尿路結石除去術（レーザー）	20	2.00	4.15	0.00	72.20
K841-21	経尿道的レーザー前立腺切除術（ホルミウムレーザー）	14	2.50	7.93	0.00	74.57

膀胱に対して行う悪性腫瘍手術です。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。開腹に比べて患者さんの体に負担の少ない治療法です。
さらに使用する潅流液が電解質溶液（電気伝導性を有する溶液）の生理食塩水なので、合併症のリスクは大幅に減少します。
次に多いのは、平成26年9月より開始した、ロボット支援機器(内視鏡手術用支援機器)を使用した腹腔鏡下前立腺全摘術です。

産婦人科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K8654	子宮脱手術（腟壁形成手術及び子宮全摘術）（腟式、腹式）	13	1.38	6.92	0.00	72.62
K867	子宮頸部（腟部）切除術	ー	ー	ー	ー	ー
K872-32	子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術（その他）	ー	ー	ー	ー	ー
K877	子宮全摘術	ー	ー	ー	ー	ー
K8881	子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（開腹）	ー	ー	ー	ー	ー

子宮全摘術の場合、手術前日に入院し、術後６日目に退院で合計８日間の入院を標準としておりました。ただし、新型コロナウイルス対策のため、現在は前々日入院としております。

耳鼻咽喉科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	平均年齢
K340-5	内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術）	36	1.39	4.25	58.89
K3772	口蓋扁桃手術（摘出）	33	1.21	6.39	24.09
K331	鼻腔粘膜焼灼術	22	0.05	3.09	72.18
K4611	甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術（片葉のみ）	20	1.50	6.80	60.20
K3932	喉頭腫瘍摘出術（直達鏡）	17	1.76	1.71	73.82

従来は小児に対する口蓋扁桃摘出術が圧倒的に多く行われていましたが、手術適応が厳密になり、減少傾向です。内視鏡下鼻・副鼻腔手術は、患者さんの身体への負担が軽減されたことと、喘息に合併した難治性の副鼻腔炎が増加していることにより、今後も徐々に増加してくると思われます。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

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DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	ー	ー
130100	播種性血管内凝固症候群	異なる	10	0.15
180010	敗血症	同一	39	0.59
180010	敗血症	異なる	40	0.60
180035	その他の真菌感染症	同一	ー	ー
180035	その他の真菌感染症	異なる	ー	ー
180040	手術・処置等の合併症	同一	40	0.60
180040	手術・処置等の合併症	異なる	ー

播種性血管内凝固は、感染症などによって起こる全身性の重篤な病態です。
DPC病名(最も医療資源を投入した病名)と入院契機病名(入院する契機となった病名)が異なる場合として挙げられるのは、癌や感染症で入院後も全身状態が悪化して播種性血管内凝固や敗血症といった重症な病態になってしまった症例です。
手術・術後の合併症は、どのような術式でも、どのような患者さんでも、一定の確率で起こりうるもので、医療ミスとは異なります。