日本赤十字社 鳥取赤十字病院

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令和5年度 鳥取赤十字病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

 

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

 

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 329 147 118 140 199 436 1,194 1,787 1,379 638
2023年度に退院した患者数を、年齢階級別に入院時の年齢で10歳刻みで集計しています。
地域医療支援病院である当院は、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。中でも60代以上の患者さんは全体の約7割以上を占めており、症状が重症化しやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。
若年層では、骨折などの整形外科的な手術が必要となる患者さんが多くなっています。
また、小児科は平成29年度から医師を3人体制として小児救急により積極的に取り組んでおり、昨年度に比べて患者数は増加傾向となりました。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎(人工呼吸、気管切開等なし) 116 27.35 20.60 24.14 87.64
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 75 18.00 13.52 10.67 77.04
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎などの内視鏡治療 67 7.99 8.75 4.48 77.22
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍(内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術) 43 8.91 7.61 0.00 72.86
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍(生検法) 42 3.36 2.98 0.00 73.60
誤嚥性肺炎は、内科医師による治療を行っています。また、胆管結石は患者さんの侵襲の少ない手術として内視鏡的治療が行われています。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 38 25.16 17.38 10.53 85.84
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患の心臓カテーテル治療 31 3.03 3.05 3.23 72.77
050030xx97000x 徐脈性不整脈のペースメーカー交換術 17 17.59 11.54 0.00 70.18
050130xx9902xx 心不全(シンチグラム、SPECT検査等) 14 35.14 23.74 21.43 85.43
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患などの経皮的冠動脈形成術 12 8.08 4.26 0.00 72.50
循環器内科で最も多い症例は心不全です。平均年齢が80歳を超え、心不全以外の要因により平均在院日数が長くなっています。在宅復帰まで治療継続、リハビリのための転院を要する症例が多く、転院が決まるまでに日数がかかることが大きな要因です。

脳神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞 軽度(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)のエダラボン投与治療 36 21.22 15.70 30.56 70.08
010060x2990301 脳梗塞 軽度(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)のSPECT検査 17 17.35 18.06 29.41 75.65
010060x2990201 脳梗塞 軽度(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)の脳血管疾患等リハビリテーション 10 13.70 15.57 10.00 75.50
010060x2990411 脳梗塞 軽度(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)のエダラボン投与治療(水頭症等あり) 10 22.80 17.39 30.00 79.50
010060x2990321 脳梗塞 軽度(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)のSPECT検査(肺炎等あり) - - 35.18 - -
脳神経内科の入院患者数で最も多い疾患は脳梗塞です。いくつかの治療法や治療薬がありますが、それぞれにタイムウィンドウ(制限時間)が決まっています。より良い治療のために、できるだけ早期の受診をおすすめします。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 114 4.86 6.37 0.00 3.25
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 113 4.07 5.96 1.77 2.08
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 93 2.76 5.64 0.00 3.95
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 63 3.22 5.86 1.59 5.68
0400801199x00x 肺炎(1歳以上15歳未満) 46 4.48 5.62 4.35 2.37
小児科における入院疾患の多くは、感染症とアレルギー疾患です。感染症(肺炎、気管支炎)では特に発熱や咳を伴う呼吸器疾患が多く、呼吸障害により食欲が低下したり、呼吸障害により酸素投与が必要になり、年少児では入院に至る場合があります。
近年、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、食物アレルギーなどのアレルギー疾患が増えました。定期吸入薬などの登場で入院を要する気管支喘息患者は減少傾向にあります。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx9907xx 胃の悪性腫瘍の化学療法(ラムシルマブ) 121 3.02 6.49 0.00 73.26
040040xx99080x 肺の悪性腫瘍の化学療法(ラムシルマブ、ベバシズマブ) 88 3.40 8.65 0.00 69.32
060335xx02000x 胆嚢炎等の腹腔鏡手術 43 8.79 6.87 6.98 73.00
060040xx99x70x 結腸の悪性腫瘍の化学療法(アービタックス) 41 3.24 4.38 0.00 67.24
060040xx99x6xx 直腸の悪性腫瘍の化学療法(ベバシズマブ、アフリベルセプト、ベータ) 40 2.45 4.34 0.00 68.75
結腸・直腸癌は増加傾向であり、手術に加えて化学療法を多く行っています。胃癌に対しても同様で、手術に加え、近年の薬物療法の進歩に伴い、多くの化学療法を行っています。肺の悪性腫瘍は大腸癌肺転移症例に対する化学療法症例が多くを占めています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術 153 28.92 25.50 67.97 84.37
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む)の人工関節再置換術等 112 25.73 19.55 1.79 69.27
070230xx01xxxx 膝関節症の人工関節再置換術等 44 26.86 21.96 2.27 75.55
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 29 24.38 21.46 68.97 85.55
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 22 25.50 19.34 54.55 71.55
鳥取県の人口構成の特徴は、全国的にも高齢化率の高い地域となっています。整形外科においても入院症例数が最も多いのは高齢者の転倒による大腿骨近位部骨折です。大腿骨近位部骨折の手術件数は骨接合術と人工骨頭挿入術を合わせて年間多くの件数を実施しており、県内でも有数の病院となっています。早期離床をはかるためできるだけ早くリハビリを行っていますが、高齢者が骨折を受傷すると短期間で自立した歩行能力を獲得することは並大抵のことではありません。当院では医療ソーシャルワーカーを通して近隣の回復期リハビリテーション病院とも連携をはかり、なるべく在宅復帰できるようご提案させていただいています。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 12 7.00 4.28 0.00 50.75
080007xx010xxx 皮膚良性新生物の皮膚、皮下腫瘍摘出術 - - 3.93 - -
161000x102x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷の分層植皮術 - - 25.34 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 - - 12.88 - -
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 - - 24.94 - -

形成外科で多いのは皮膚・皮下の腫瘍摘出術です。次いで熱傷の手術が続きます。糖尿病に起因する足の潰瘍の手術が増加傾向です。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺悪性腫瘍の前立腺針生検法 103 3.02 2.44 0.00 72.21
110070xx03x20x 膀胱腫瘍の膀胱悪性腫瘍手術 58 8.29 6.59 1.72 74.19
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍の腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(ロボット支援機器を使用) 23 13.78 11.19 0.00 69.00
110420xx02xxxx 水腎症の経尿道的尿管ステント留置術 20 4.15 4.02 20.00 65.80
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患の経尿道的尿路結石除去術 19 7.42 5.22 5.26 71.63
2番目に多い症例は膀胱腫瘍に対して経尿道的に行う膀胱悪性腫瘍手術(TUR-Bt)と化学療法を併用した症例で、平均在院日数は約8日でした。患者さんの術後の痛みの軽減、早期回復を図りたいことから、開腹しない腹腔鏡を使った手術を積極的に行っている当科では腹腔鏡手術の症例ばかりが上位を占めており、特に前立腺悪性腫瘍の手術にはロボット支援機器を使用した腹腔鏡下前立腺全摘術を行っています。
がんの再発や転移、またはその予防を目的として行う化学療法も多く行っています。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症の膣閉鎖術等 13 9.54 7.89 0.00 74.85
120170x199xxxx 早産、切迫早産 - - 20.10 - -
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常による子宮全摘術等 - - 9.34 - -
120070xx01xxxx 卵巣腫瘍等の子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの) - - 9.68 - -
120140xxxxxxxx 流産 - - 2.43 - -
子宮筋腫は中年以降の女性によくみられる良性の子宮腫瘍です。当科では、自覚症状とMRIなどの画像診断を総合的に判断して、患者さんにとって最も適した治療法を選択するように心がけています。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 73 6.08 6.02 0.00 54.78
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 47 5.79 7.53 0.00 16.47
030400xx99xxxx 前庭機能障害 47 4.28 4.73 0.00 69.94
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー検査 44 2.00 2.03 0.00 58.64
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 33 5.76 5.51 0.00 44.76
ここ数年、患者数の多い疾患に変化はありません。
めまいを主訴とする前庭機能障害と急性炎症性疾患の扁桃周囲膿瘍や急性扁桃炎も殆どが救急受診した患者です。
慢性副鼻腔炎と甲状腺悪性腫瘍は手術を目的とした予定入院の患者です。
睡眠時無呼吸症候群の重症度やCPAP(持続性陽圧呼吸)療法の適応を決めるための終夜睡眠ポリグラフィー検査は、主に成人を対象として1泊2日の検査を週に2例ずつ実施しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 51 - 34 132 53 71 1 8
大腸癌 - 49 58 115 69 116 1 8
乳癌 24 29 10 - 29 21 1 8
肺癌 - - 28 48 - 13 1 8
肝癌 - - - - - 52 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院は消化器センターを設置しており、消化器系のがんが多いのが特徴です。早期胃がんでは内視鏡切除、内視鏡治療の適応のない早期胃がんや進行胃がんに対しては積極的に腹腔鏡手術を行っています。大腸がんも多くの症例で腹腔鏡手術やロボット手術を行っています。乳がんは近年増加してきており、専門医師、認定看護師、薬剤師など多職種がチームを組んで患者さんの診療にあたっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 - 59.24
中等症 88 16.06 82.94
重症 22 21.23 84.77
超重症 - 33.50 86.75
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計しています。患者数は中等症が最も多く、重症度が上がるにつれて在院日数も長くなっています。患者さんは高齢者が多く、重症になるほど平均年齢は上がる傾向にあります。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 126 24.35 76.29 31.97
その他 21 30.62 80.81 -
脳梗塞では約32%がリハビリ病院へ転院されるため、平均すると3~4週間程度の入院期間となっています。転院先の空床状況により前後することがあります。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 74 4.38 12.82 9.46 78.78
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 48 3.81 8.85 10.42 78.79
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 43 0.74 7.16 0.00 72.86
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 40 22.95 30.33 45.00 84.60
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 36 4.17 8.17 0.00 75.89
内視鏡的乳頭拡張術は総胆管結石の除去に際し行われる治療であり、胆管結石は患者さんの侵襲の少ない手術として内視鏡的治療が行われています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 13 4.46 15.69 0.00 75.62
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 10 8.50 13.80 0.00 86.10
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの - - - - -
K5461 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの - - - - -
K5462 経皮的冠動脈形成術 不安定狭心症に対するもの - - - - -
循環器内科では虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術といった心臓カテーテル治療を行っています。心臓カテーテル治療は腕や足の血管から心臓まで管を通して狭窄した冠動脈を拡張する治療法です。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 84 1.04 5.71 3.57 68.92
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 34 2.15 3.59 0.00 61.62
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 31 8.23 21.48 9.68 74.48
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 23 0.39 4.30 0.00 39.96
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 20 3.95 20.70 5.00 70.90
全体的に癌の手術で最も多いのは乳癌の手術です。乳癌は近年増加傾向で、今後さらに増加することが予想されます。乳癌についで結腸癌手術を多く行っています。9割程度の手術は腹腔鏡下に行っています。手術創が小さく低侵襲で、術後の回復も早いです。また、直腸癌に対してはロボット支援下手術を行っています。癌以外の手術では胆のう結石症や急性胆のう炎の手術が多く、ほぼ全例を腹腔鏡下手術で行っています。
また、急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術も多く行っています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 160 1.40 23.69 1.25 70.81
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 125 2.37 26.06 60.80 84.41
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 52 4.17 25.63 65.38 81.69
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 22 6.14 29.91 0.00 63.68
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 12 1.58 8.83 8.33 58.50
整形外科の手術では平均年齢から高齢者の骨折が多いことが分かります。加齢に伴い骨粗鬆症が原因で起こる大腿骨の骨折に対して、プレート固定を行ったり、人工骨頭挿入を多く行っています。手術後は自宅退院を目標にリハビリテーションを行い、医療ソーシャルワーカーを通して近隣の回復期リハビリテーション病院とも連携をはかり、なるべく在宅復帰できるようご提案させていただいています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 60 1.52 5.90 3.33 74.28
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 41 2.76 9.00 34.15 73.10
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 23 1.26 11.52 0.00 69.00
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 19 1.32 5.11 5.26 71.63
K834-3 顕微鏡下精索静脈瘤手術 16 1.00 4.50 0.00 35.88
膀胱悪性腫瘍手術は膀胱に対して行う悪性腫瘍手術です。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。開腹に比べて患者さんの体に負担の少ない治療法です。
さらに使用する潅流液が電解質溶液(電気伝導性を有する溶液)の生理食塩水なので、合併症のリスクは大幅に減少します。
次に多いのは、平成26年9月より開始した、ロボット支援機器(内視鏡手術用支援機器)を使用した腹腔鏡下前立腺全摘術です。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8654 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式) 11 1.00 7.18 0.00 73.82
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 - - - - -
K860 腟壁形成手術 - - - - -
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの - - - - -
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 - - - - -
子宮全摘術の場合、手術前日に入院し、術後7日目に退院で合計9日間の入院を標準としております。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 49 1.37 3.90 0.00 53.02
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 30 1.00 5.10 0.00 22.83
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 29 0.14 5.66 0.00 36.62
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 23 1.35 3.96 0.00 58.09
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 11 1.18 3.18 9.09 10.45
内視鏡下鼻副鼻腔手術は主に慢性鼻副鼻腔炎に対して行う手術です。「蓄膿症」と呼ばれている感染性(好中球性)慢性鼻副鼻腔炎は減少傾向ですが、喘息などに伴う好酸球性慢性鼻副鼻腔炎が増加してきています。
習慣性(反復性)扁桃炎に対する口蓋扁桃手術の件数は減少してきましたが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群やIgA腎症に対する手術件数が増加しています。
甲状腺悪性腫瘍などの甲状腺疾患に対する手術も女性を中心に一定数を保っています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.21
180010 敗血症 同一 33 0.49
異なる 25 0.37
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.27
異なる - -
播種性血管内凝固は、感染症などによって起こる全身性の重篤な病態です。
DPC病名(最も医療資源を投入した病名)と入院契機病名(入院する契機となった病名)が異なる場合として挙げられるのは、癌や感染症で入院後も全身状態が悪化して播種性血管内凝固や敗血症といった重症な病態になってしまった症例です。
手術・術後の合併症は、どのような術式や患者さんでも一定の確率で起こりうるもので、その発生率は低値であります。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
878 825 94.0

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者さんの大部分に予防対策を実施しております。当院では肺血栓塞栓症発症の発症リスクが高いと考えられる症例には積極的に下肢静脈エコー検査を実施しており、また、医療安全部門において肺血栓塞栓症発症の発生症例を常時モニタリングしており、その発症予防に積極的に取り組んでいます。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1,230 1,045 84.96
血液培養検査は重症感染症の診断と治療に重要な検査です。2セット採血することにより、検出感度の上昇と精度の向上が可能となります。当院の2セット実施率は検査オーダーの入力方法や、採取ボトルの工夫、啓発活動などを行い、比較対象病院より上回った水準を維持しています。抗菌薬支援チーム(AST)などと協力し更なる実施率の向上に努めます。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
682 562 82.40

広域スペクトル抗菌薬の不適切な使用・乱用は薬剤耐性菌の発生や蔓延の原因となり得ます。抗菌薬療法を実施するにあたり、適切な細菌検査の実施による、正確な感染症診断は必須となります。当院の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌検査実施率は比較対象病院平均値であり、抗菌薬支援チーム(AST)などと協力し更なる実施率の向上に努めます。