看護師
教育体制
教育理念
人道・博愛の精神に基づき、専門職業人として専門的な知識・技術を向上させ、質の高い看護サービスを提供できるよう看護部組織として支援し、看護職員の能力開発を目指す。
教育目標
- 自己啓発しながら専門性を高め、質の高い看護ケアが提供できる
- 教育計画の中から選択し、個人目標にそった年間の研修計画を立て実践する
鳥取赤十字病院看護部の求める看護師像
- 赤十字精神に基づく行動ができる看護師
- 専門職業人としての知識、技術、態度を自己研鑽できる看護師
- あらゆる健康状態の人々に対し、一人一人のニーズに応じた責任ある看護の提供ができる看護師
- 安全で安心できる看護サービスの提供ができる看護師
- 院内・地域と連携でき、調整役としてリーダーシップが取れる看護師
- 社会・医療制度の変化に対応しながら、地域社会から信頼される看護師
鳥取赤十字病院看護師に求められる能力
- 日々の看護実践において、赤十字基本原則が行動化できる能力
- 専門領域における知識や技術を深め、活用し応用できる能力
- 状況を客観的に捉え、臨機応変に問題解決ができる能力
- 患者・家族およびチームメンバーと良い人間関係を築いていく能力
- 一人一人の個性、感性、生命力、能力、意志を尊重し、エンパワーメントを導く能力
- 他職種または地域と協働し調整する能力
新人研修
新人看護師研修制度
鳥取赤十字病院では、平成19年度から3ヶ月間の新人看護師研修制度を取り入れています。これから看護師としての一歩を踏み出す新人の皆さんは、病院で働くということ、実際に多くの患者さまを目の前にして看護業務にあたっていくことについて不安を抱えておられると思います。そのような不安や悩みを少しでも解消できるように、集中的に看護技術を学び、安全な看護実践が行えるような研修制度をはじめました。
目的の一つに「職場への適応ができること」としており、研修を受け、修了時には「看護をしていきたい」と感じてもらえるような研修をおこなっています。
就職後3ヵ月間は、研修生として学びます。様々な部署をローテーションして、看護実践に必要な知識・技術・態度を習得する体制です。
3ヶ月間の研修内容
病院・看護部オリエンテーション
諸手続、病院・看護組織について、記録、接遇、白衣についてなど総合的なことを学びます。
- 病院内体験見学研修
病院内にはたくさんの専門職の部署があります。様々な仕事内容を見学研修します。 - コミュニケーション研修
患者さんとのコミュニケーションや、自分の会話の傾向を学ぶ研修です。 - 看護技術研修
採血、注射、吸引、口腔ケアなどの看護技術をトレーニングルームで学びます。 - 看護過程研修
看護過程のプロセスと看護診断について学びます。 - 病棟ブロック研修
内科系、外科系、手術室、集中治療室などをローテーションして、いろいろな部署を経験します。夜勤の体験もします。 - ナラティブ研修
先輩ナースの看護を聴き、看護観を深める研修です。 - 医療安全・感染研修
安全な看護をするための医療安全・感染予防について学びます。 - 看護倫理研修
看護者としての姿勢・態度について学びます。 - メンタルサポート研修
同僚同士でのサポートや、専門相談員が対応しメンタル面の支援をします。
など
新人看護師研修スケジュール
4月 | 1週目 | 新人看護師研修制度期間 指導者による指導 |
全体研修 |
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2週目 | 看護部オリエンテーション 技術研修 |
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3週目 | 病院内体験見学研修 | ||
4週目 | 病棟ブロック研修 | ||
5月 | 1週目 | シャドウ研修 | |
2週目 | 看護部病棟ブロック研修 外科系病棟 内科系病棟 集中治療室 手術センター |
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3週目 | |||
4週目 | |||
6月 | 1週目 | ||
2週目 | |||
3週目 | 看護業務研修 夜勤研修 |
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4週目 | |||
7月~翌年3月 | 支援を受けながらキャリアレベルを目指す | 部署配属 指導者・プリセプターを中心にチーム全体で支援を受けながら勤務〔1~2回/月 集合研修〕 |
キャリア開発
鳥取赤十字病院では、キャリア開発ラダーを実施しています。
ラダー つまりはしごを登っていくように、看護職として自分の目標に向かって、キャリアを積んでいくための支援をしています。
看護職のレベルを1~5段階に分けてそれぞれのレベルを到達するための研修を行っています。
レベル3までは、必要な研修を受け経験を積み重ね、次の段階に到達した頃、看護実践能力を師長とともに評価し、キャリアを積んでいきます。 レベル3以降は、以下の4分野の道を選んで進んでいきます。
- 看護実践者
- 国際救援
- 看護教育者・研究者
- 看護管理者
看護管理研修
看護管理研修は、キャリアレベル3以上の人を対象に、看護管理の視点の育成と、看護管理者の人材を育てるために実施しています。
- 内容
医療経済について
看護組織について
人材育成について
情報テクノロジーについて - 講師
看護部長・看護副部長・看護師長
日本赤十字社や看護協会が開催する認定看護管理者制度のサードレベル・セカンドレベル研修修了者
院長・副院長・事務部長
院内登録看護師制度
院内登録看護師制度とは、鳥取赤十字病院の看護の質を向上させるために、専門知識を学習し、所属する部署を超えて活動できる制度です。また、将来認定看護師を目指す看護師の育成の場ともしています。
登録看護師として専門的な知識や技術を習得したいと意欲のある看護師の方はどなたでも院内登録看護師になっていただけます。登録分野は以下の9分野です。
【登録分野】
- 摂食・嚥下障害看護
- 認知症看護
- 糖尿病看護
- 救急看護
- がん化学療法看護
- 腎不全看護
- 慢性心不全看護
- クリティカルケア
院内登録看護師は専門知識をもとに各病棟での看護へのアドバイスなどを行っています。認定看護師も院内登録看護師のメンバーですので、より専門的なことを学ぶことができます。
赤十字看護師研修
赤十字の活動の中に、災害救護という重要な活動があります。被災者の方たちの身体的・精神的な支えとなる大切な役割です。その救護員としての役割が果たせるように、3年かけて研修を行っています。
【研修内容】
1年目
1.赤十字の歩みと活動
2.赤十字の現況と課題
2年目
1.赤十字の基本原則と国際人道法
3年目
1.災害看護論
2.国の災害対策と日本赤十字社の救護活動
3.最近の災害救護活動の現況と課題
4.災害救護演習
5.フォローアップ研修
認定看護師
認定看護師とは
認定看護師とは、Certified Nurse 略してCNと呼ばれる、日本看護協会に認定された看護師のことです。 「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することを認められた」看護師のことを指し、看護現場において実践、指導、相談の3つの役割を果たすことにより看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的に発足しました。
通算5年以上の実務経験を有し、21種類の各専門分野別の教育課程を連続して6カ月以上受講したのち、日本看護協会による認定審査に合格、登録申請した看護師が認定看護師となることができます。
当院では、現在17名の認定看護師が活動しています。また、年に1~2名が個々の分野の認定看護師を目指しています。奨学金制度もあり、認定看護師を目指す方をサポートしています。
当院で行っている特定行為区分及び特定行為研修です(特定行為区分単位で選択する場合)
特定行為区分 |
特定行為 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 |
気管カニューレの交換 |
創傷管理関連 |
褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
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動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
橈骨動脈ラインの確保 |
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栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
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感染に係る薬剤投与関連 |
感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 |
インスリンの投与量の調整 |
領域別パッケージ研修(術中麻酔管理領域)と研修を構成する特定行為
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領域別パッケージ研修 |
特定行為 |
術 中 麻 酔 管 理 領 域
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呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 |
侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
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人工呼吸器からの離脱 |
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動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
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橈骨動脈ラインの確保 |
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栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
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術後疼痛管理関連 |
硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
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循環動態に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
特定認定看護師
特定行為は、診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる行為です。
当院では、特定行為研修を修了した認定看護師を特定認定看護師と称しています。
特定認定看護師は、医師・歯科医師があらかじめ作成した手順書(指示)によって、タイムリーに特定行為を実施することができます。
私たちが特定行為研修修了者です。
就職を希望される方へ
鳥取赤十字病院で働かれるにあたって、以下の点に配慮するようにしています。
経験を活かす
配属部署を決める前に看護部長と面談し、今までの経験を活かした部署に配属するようにしています。また、できるだけ希望に応じた勤務体制で勤務していただけるようにしています。
研修の充実
新人看護師の方に行う3ヶ月間の新人看護師研修制度をはじめ、それぞれの経験のレベルに応じた研修を行っています。自分の看護実践で自信のないところなど、当院で研修を受けていただくことができます。
就職後も慣れない環境で働く不安を少しでも解消していただけるように、病院全体を知っていただく研修や、医療安全、院内感染対策の研修なども行っています。病棟では、担当の指導者が支援しています。
多様な勤務体制
家庭と仕事が両立できるように、当院では様々な勤務体制を行っています。週1日の勤務から、土日だけの勤務、夏休みや冬休みなど学校行事にあわせての勤務など対応できるようにしています。
育児支援
病児病後児保育が利用可能です。