特定行為研修
○鳥取赤十字病院は、平成31年2月に厚生労働省から特定行為研修指定研修機関に指定され(鳥取県内では当院と鳥取大学医学部附属病院の2施設のみ)、令和2年10月現在5名が研修を修了しました。当院が研修を行う特定行為の区分及び特定行為は5区分7行為です。(表1)【研修期間は1年間】
○特定行為に係る看護師の研修制度は、医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助を行うことができる看護師を養成するものです。
○慢性疾患や複数の疾患を抱えながら地域で暮らす方が増加し続けている状況の中で、一定の診療補助行為が行える看護師の誕生は、チーム医療の推進とともに、高齢社会において多様化する在宅医療の推進に寄与すると期待されています。
○特定行為研修を修了した看護師は、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどができます。
活動内容を一部紹介します。
【褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去】
医師から指示を得た入院中の創傷がある患者さんの病態、生活状況などを理解したうえで壊死組織の除去を行います。創傷の治癒期間が短くなった事例を経験しています。
【インスリン投与量の調整】
医師から指示を得たインスリン注射をしている患者さんの訪問看護を行い、血糖値、食事・運動などの生活状況を確認し、その場でインスリン量を調整しています。頻回にあった低血糖が改善した事例などを経験しています。
表1 【研修で実施する特定行為区分の名称及び特定行為は5区分7行為】
特定行為区分 |
特 定 行 為 |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 |
気管カニューレの交換 |
創傷管理関連 |
褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中高カロリー輸液の投与量の調整 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
|
感染に係る薬剤投与関連 |
感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 |
インスリン投与量の調整 |
【参考】鳥取赤十字病院の特定看護師(2020年10月現在)
養成中4名
・「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」と「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の2区分:1名
・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」と「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」の2区分:1名
・「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」と「創傷管理関連」と「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の2区分:1名
・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」と「感染徴候に係る薬剤投与関連」の2区分:1名
修了者5名
・「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」と「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の2区分:1名
・「創傷管理関連」と「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の2区分:1名
・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」1区分:3名
当院以外に大阪府看護協会で1名養成中です。
協力施設として 他施設の看護師が臨地実習実施予定となっています。