日本赤十字社 鳥取赤十字病院

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「薬剤耐性」という言葉をご存知ですか?

最近よく聞く「薬剤耐性」、皆さんは何かご存知ですか?

薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)とは、感染症を引き起こす細菌などの病原体が、薬に対して抵抗性を持ち、薬が効かなくなることを言います。
この薬は「抗菌薬」といって、感染症の原因となる細菌などを殺したり増殖を抑える薬です。
抗菌薬という言葉はあまり耳慣れないかもしれませんが、抗生物質という言い方なら聞いたことがある方も多いと思います。厳密な違いはありますが、ほぼ同じだと思ってもらっても問題はありません。

薬剤耐性を持つ菌のことを耐性菌といいます。
この耐性菌が増え広まると、どのようなことが起こるのでしょうか。
抗菌薬が効かなくなるので今まで治療できていた感染症の治療が難しくなり、重症化してしまったり、最悪の場合は死に至ってしまう可能性が高まるのです。

この耐性菌については、1980年以降世界中で増えてきており、今後も増えていくのではないかと予測されています。日本でも、薬剤耐性について国をあげて対策に取り組んでいます。

当院では、
抗菌薬の適正使用のために、医師、薬剤師など4職種からなる抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を設置し、耐性菌を増やさないよう活動をしています。
参加している薬剤師は2名とも感染制御の認定を取得している専門薬剤師です。
専門家である感染制御認定薬剤師は、種類の多い抗菌薬を特徴に合わせて適正に使用するための膨大な知識を活かし、主治医と協力して、患者さんに安全な治療を提供できるよう努めています。

感染制御認定薬剤師インタビュー

当院の感染管理について

また、耐性菌を増やさないために、皆さん一人一人ができることがあります。
・感染症にかからないように、手洗いやうがい、アルコール消毒、マスク着用などをしっかりしましょう。
・受診の際は医師に症状をきちんと説明し、医師が適切な診断ができるようにしましょう。
・抗菌薬(抗生物質)が処方されたら、勝手に服用をやめたりせず、指示通り飲み切りましょう。