脳内出血について

 高血圧が原因で、脳内の細い血管が破れて出血が起こります。出血量が少なければ点滴で治療します。出血量が多い場合は、手術で出血を取り除き、脳への出血による圧迫をやわらげます。患者様の体のの負担が最小限となるように、小開頭手術(1時間程度)により出血を取り除きます。出血してから1週間ぐらいしてから、親指の爪ぐらいの大きさの穴を頭蓋骨にあけて針で出血を取り除く定位脳手術(20分程度)も行っています。

◆穿頭術:Burr-hole
   @ドレナ−ジ(Drainage):脳室、硬膜下腔、血腫腔
   A血腫・水腫除去
   B定位脳手術:Stereotaxy
◆短絡術:Shunt
   @脳室−腹腔:VentriculoPeritoneal
   A硬膜下腔−腹腔:SubduroPeritoneal
   B腰椎−腹腔:LumboPeritoneal
   C嚢腫−腹腔:CystoPeritoneal
◆開頭術:Craniotomy
   *天膜上:Supratentorial
   *後頭下:Suboccipital
   *減圧術:Decompression
3)脳内出血:
   @開頭・血腫除去
   A穿頭・血腫吸引
◆その他:
   @腰椎ドレナ−ジ:Lumbar D.
   A頭蓋形成術:Cranioplasty

 高血圧性脳出血は、高血圧が問題となる40ー60才代に多く発生する出血性の脳卒中の代表的疾患です。大脳深部の被殻、視床という部位に好発しますが、これはこの部に血液をおくる細い穿通動脈に発生した粟粒動脈瘤が破綻するためといわれています。
 高血圧性脳出血の約65%が大脳基底核部に見られますが、運動神経の線維が密集して走る内包という部を境に、それより内側の出血を内側型(視床出血)、外側の出血を外側型(被殻出血)、両方にわたるものを混合型と呼びます。外側型は内側型より頻度が高く、2倍近い割で多いものです。大脳半球深部のほか、大脳の表面近くの皮質下、脳幹、小脳にそれぞれ10%前後の頻度で見られます。
 被殻出血と視床出血では、内包が障害されるための出血と反対側の上下肢の麻痺をきたします。さらに視床出血では反対側の上下肢の知覚が多くおかされます。脳出血は頭痛を伴うことが多く、小脳出血ではめまい、ふらつきが強く、歩けなくなります。脳幹出血では急激に昏睡に陥り、四肢のマヒ、呼吸障害などをきたします。
 CTスキャンによれば脳出血は直後から診断が可能で、脳卒中が出血性であるか閉塞性であるか、その場所、大木さなどまでが正確につかめます。すなわち、出血の程度や脳組織の破壊状態まで同時に知ることができるのです。
 脳出血の重症度は意識障害の程度と血腫の部位ならびにその伸展により判定されます。一般に意識障害がなく、CTスキャン上も軽症のときには内科的に治療しますが、重症になるに従って、手術をしたほうが結果はいいといえます。
 出血の部位により治療法ならびに治療成績が異なります。皮質下出血、小脳出血は手術成績が良好で、外科的治療の対象となります。被殻出血では、意識障害が昏睡まで至らない昏迷から半昏睡までのものは手術を行ったほうがよいといえます。CTスキャンで血腫が内包の後方部分(後脚)まで伸びているときには手術を行うことが多いのです。手術法としては、頭に穴をあけ針を刺して血腫を吸引除去する方法と、開頭のうえ脳を切開して血腫を除去する方法があります。
 内科的あるいは外科的のいずれの療法にしても、目的は出血によりできた血腫を早く消滅させ、血腫による脳組織への圧迫を除くと同時に、二次的な合併症を防ぐことにあります。脳ヘルニアが起ると脳幹が圧迫され、生命中枢が破壊されて死亡します。しかし最近では、抗脳浮腫薬を使えば、脳ヘルニアをある程度くい止めることができるようになりました。内科的、外科的、どちらの治療法を適用するかは患者の状態によって決めるべきであります。

(鳥取赤十字病院 脳神経外科 金澤 泰久)

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